長岡のものづくり企業の優れた製品・技術を紹介する「知ってる!?ながおかモン」。
本シリーズでは、公的資金を活用して開発した製品の市場投入を支援する、「長岡市ものづくり未来支援補助金(ブランド化支援)」に採択された企業の製品を紹介していきます。
株式会社橘技研は、熱処理装置を作っている会社です。今回は、開発事業の担当者の仙浪泰明さんにお話を伺いました。
「自動車・工作機械・建設機械・航空機・ロケットまでほとんどの工業製品は熱処理を経て最終製品化されています。」
「橘技研は、熱処理のパイオニアとして、お客様ごとに最適な熱処理システムを提供しています。」と語ります。
株式会社橘技研では、「熱処理」の中でも「高周波焼入れ」という熱処理の装置を主力製品とします。
「焼入れ」とは、金属を所定の高温状態から急冷させる熱処理です。この処理により、金属組織が変化し、材料が硬くなるなど、強度を上げることができます。
「高周波焼入れ」とは、金属の一部分を焼入れする装置です。金属にコイルで電流を流し、高周波の電磁波による電磁誘導を起こし、加工したい部分の表面を過熱させて焼入れを行う熱処理であり、調整が容易で、軸や歯車、平板などに広く使われています。
上の写真は、比較的大型の部品の高周波焼入れ装置です。大型の工作機械や建機などの部品の焼入れができます。管のように見えているのは、冷却槽に冷却水を注入するためのホースです。
高周波熱処理装置は、これまでは小型なものでも横3m×縦5m×高さ3mとなり、設置スペースとコストがかかるという課題がありました。そこで、ターゲットを絞り、自動車部品などのマイクロパーツに特化し、省スペース化、可搬性(移動性)、低価格化を盛り込んで小型高周波焼き入れ装置を開発しました。小型にすることで、これまでできなかった、工場の生産ラインの中に組み込みも可能になります。
平成27年度は、ものづくり未来支援補助金(ブランド化支援)を受けて、この高周波焼入れ装置のデザイン改良を行いながら、ホームページの充実による広告宣伝に取り組んでいます。デザインは、長岡造形大学に依頼し、4通りのデザインの中から一番良いものを選定しました。
また、設備のラインナップのページを設けるなど、ホームページを充実させ、受注拡大を狙います。
「新しい装置ができたらタイの展示会に出展します。」と仙浪さん。海外へも積極的に販売していくそうです。
株式会社橘技研 所在地:長岡市鉄工町2丁目2番58号 電話:0258-28-2238 URL:http://www.tgiken.jp/ |