小国和紙
歴史・沿革
残されている記録によると、1600年代後期には小国地域の集落で、農家が冬期の活動として製紙していたとされる。
和紙の原料となる楮(こうぞ)の一部を地元で栽培し、伝統的な製法にこだわりながら、現代的な用途を模索するなど、先進的な取組みも行っている。
昭和48年に国の「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に指定された。
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製品の特長・用途
小国和紙の原料となる、紙素(かみそ)と呼ばれる非常に長い組成の楮繊維は、完成品にしてわずか10cm四方の紙片が30kgの引っ張りにも耐える強靭さを持つ。そのため、他の産地の和紙にはない丈夫さ、実用性を兼ね備えていることが小国和紙の最大の特徴であり、その幅の広い用途こそ最大の魅力となっている。
通常の和紙としての用途のほか、反物用の柿渋を塗った札紙(ふだがみ)と呼ぶ産地識別札、そして、現在では風合いのある壁紙や、折り鞄・財布といった実用性のある用途も考案され、その特徴を生かした製品開発が進められている。
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製造工程
和紙の製造は、11月ごろからの原料である楮の収穫から、紙漉き、乾燥に至るまで、一貫して現地で行われる。
【和紙の製造工程】
楮の収穫→蒸し、皮むき、皮引き→雪晒し→灰汁の含有した煮汁での楮の皮煮→繊維ほぐし(たたき)→紙漉き→紙干し(天日によるものもある)
小国和紙では、種類によって「雪晒し」「かんぐれ」「天日干し」といった伝統的製法が用いられている。
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主な製品
- 菊判サイズの「雪さらし」紙など各種手漉き和紙
- 和紙小物、創作キットなど
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産地の現場から「ひとこと」
「原料となる楮の生産から、伝統的技法に至るまで、産地にこだわった和紙の生産を続けています。また、和紙の可能性を広げる新たな用途開発のほか、紙漉き体験や、地元小学生が自身の卒業証書を和紙で製作するといった地域の活性化につながる活動などもつづけています。小国和紙の様々な用途を紹介するショールームで、数多くの人に小国和紙に触れていただきたいと考えています。」
((有)小国和紙生産組合 専務取締役 今井 千尋)
産地イベントなど
産地紹介動画
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